不動産ブログ

瑕疵担保免責・境界非明示

Date:2012年11月17日

業者さんから買取打診がある物件資料で
最近よく目にする売主瑕疵担保免責・境界非明示の取引条件。


大手不動産仲介業者が使いだしてしばらく経つので、
近頃は個人売主、個人仲介業者もこの条件で売りに出しているようです。

売主にとっては、後日境界紛争が起きようと、
雨漏りしようと責任取りませんという条件ですから、
これが一番良い訳ですが、
でもね、コレの連発はどうなんでしょうね?


そもそも、大手不動産仲介業者の瑕疵担保免責・境界非明示と
個人売主、中小仲介業者の瑕疵担保免責・境界非明示とは、
同じ取引条件でも質が全然違うんですよ。


大手不動産業者の仲介案件は、もともと大企業が所有している物件が多く、
取引が境界非明示とは言いながら、隣地地主立会いの測量図が在ったりします。

土地を測量しているので、境界が違っている可能性、境界でもめる可能性は
ゼロに近いんです。

だけど、大手特有のとにかくトラブルを回避したいという心理から、
境界は、はっきりしているのに境界非明示なんです。


同様に瑕疵担保も、建築確認通知書があり、検査済証もあり、
ケースによっては、アスベスト調査や土壌汚染調査、近隣聞き込みを行なったうえに
瑕疵担保免責なんです。


対して、個人売主の物件を扱っている中小業者の境界非明示はどうか?

このあいだ持ち込みのあった土地なんか、
売主はおじいさんが明治からの所有で一度も土地を測ったことないんですよ。

それで境界非明示が条件ですと。

物件に興味があったので、こっちでちょっと調べたら、隣地と境界でもめているとの事。
冗談じゃないですよね。

これは、境界非明示取引じゃなくて、単なるトラブル隠しの取引です。


持ってきた仲介業者にブローカーじゃないんだから、しっかりしてくださいよと
嫌味を言いました。
もっとも全然、応えてなかったようでしたが・・。(笑)


小さい金額の取引、ややこしい物件の取引、
こうした場合の物件調査に気乗りがしないのは、私も業者ですから当然わかります。


瑕疵担保免責で済ます事が出来れば、そうしたい気持ちも分かりますが、
プロなんだから、誇りを持ってプロの仕事しましょうよ。


ブローカーと同じレベルの仕事じゃ、この不景気の時代、生き残れませんよ。


プロは素人が解決できない問題を解決するからプロで、
そもそも素人が気づけない問題を
気付く事が出来るからプロなんです。


ということで、最近のなんでもかんでも瑕疵担保免責・境界非明示の条件に
私は反対です。


今日は少し偉そうにいいすぎたかな・・・。



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